千葉県銚子市にて地域おこし協力隊のキャリア形成セミナーを開催


こんにちは、リトルリンク株式会社の望月です。
先日、千葉県銚子市で地域おこし協力隊の皆さん向けに「地域に根差した活動から協力隊の任期終了後のキャリア形成」というテーマでセミナーを開催させていただきました。


私自身も2021年に銚子市の地域おこし協力隊として移住し、3年間の活動を経て2025年1月にリトルリンク株式会社を設立した経験があります。
今回のセミナーでは、その実体験を包み隠さずお話しさせていただきました。成功も失敗も全部含めて、リアルな協力隊生活とその後のキャリアについて共有できたと思います。
なぜ私が地域おこし協力隊になったのか
まずは少し自己紹介を。私は滋賀県出身で、大学卒業後は大阪のベンチャー企業で営業職として働いていました。そんな私が地域おこし協力隊を目指したきっかけは、2020年のコロナ禍でした。
急に在宅勤務になって、ふと思ったんです。**「都会にいる理由もあんまりないな」**って。それと同時に、前々から漠然と持っていた「起業してみたい」という思いが強くなりました。
まずは副業にチャレンジしてみることに。ブログ、動画編集、ウェブサイト制作…色々やってみたんですが、半年後の収入はほぼゼロ円。正直、めちゃくちゃ厳しかったです(笑)。
そんなとき、たまたまネットで千葉県銚子市の地域おこし協力隊募集を見つけたんです。「自治体からお金をいただきながら、そこで事業をする」という仕組みに可能性を感じて、**「何ができるか分からないけど、とりあえず応募してみよう」**と思い切って応募しました。
協力隊時代に取り組んだこと


YouTubeチャンネルの運営


地域の人に顔を覚えてもらうため、そして銚子の魅力を発信するためにYouTubeチャンネルを立ち上げました。これが想像以上に効果的で、地域認知度が上がり、信頼関係の構築にもつながりました。協力隊卒業後は更新を停止しましたが、蓄積したノウハウと登録者を次世代に引き継ぎたいと思っています。
テントサウナ事業


犬吠埼ホテルさんと協業して、プールサイドを活用したテントサウナ事業を展開しました。銚子の観光資源を活かした新しい観光コンテンツとして、健康促進と地域観光の両立を目指したプロジェクトです。
レンタルジム事業「銚子eGYM」


これは特に力を入れたプロジェクトでした。空きテナントを活用して、24時間完全無人ジムとしての利用やパーソナルジムとしての活用を目指しました。クラウドファンディングで目標金額100万円を達成し、設備投資と内装工事を実施。多くの方に応援していただきました。
正直に言います——全部うまくいったわけじゃない
セミナーでも包み隠さずお話ししたんですが、「正直全部全然うまくいかなかった」んです。
レンタルジム事業もサウナ事業も、地域の人や利用者は満足してくれていました。でも、事業として継続できる収益構造を確立できなかったんです。当初の想定よりも運営コストが高く、収益モデルが甘かった。固定費や変動費の見積もりも不十分でした。
でもね、これが本当に大事なんですが、失敗しても得られる経験や人脈は無駄にならないんです。
特にクラウドファンディングの経験は、現在の私の仕事に直結しています。今ではクラウドファンディングコンサルタントとして、100件以上のプロジェクトをサポートし、累計支援金額は5,000万円を超えるまでになりました。あのときの失敗があったからこそ、今があるんです。




3年間をどう使うか——それが未来を決める
セミナーで一番伝えたかったこと。それは、「せっかくの3年間をどう使うかで、その後のキャリアが決まる」ということです。
地域おこし協力隊の3年間は、「短いようで長い、振り返るとめちゃくちゃ短い」期間です。この3年間を自分の未来への投資期間として捉えることが大切だと思っています。
任期終了後は、就職するか、自分で事業を立ち上げるかの二択になります。
どちらの道を選ぶにしても、任期中からその準備を意識した活動が重要なんです。漠然と活動せず、明確な目標を持つこと。3年後を見据えた準備をすること。これが本当に大事です。
地域に提供できる3つの価値
協力隊として地域に何を提供できるのか?私は3つの価値があると考えています。
- 新しい視点
地域外からの視点で「当たり前」を見直し、新たな魅力や課題を発見できます。 - 外部とのつながり
自身の人脈やスキルを活かして、地域と外部をつなぐ「架け橋」になれます。 - 行動力とチャレンジ精神
協力隊の3年間は「実験の場」。失敗を恐れずチャレンジできる環境があります。
クラウドファンディングという選択肢
現在、私が特に力を入れているのがクラウドファンディング支援事業です。
クラウドファンディングって、実は地域事業とすごく相性がいいんです。なぜかというと
- 共感と応援が原動力になる
地域の魅力や課題を伝えることで、共感の輪が広がります。 - PRと販路開拓を同時に実現できる
プロジェクトを通じて地域の魅力を発信し、新たなファンや顧客を獲得できます。 - 起業のハードルを下げる
リスクを抑えながら市場検証が可能。特に協力隊が任期中に起業する際に有効です。
ちなみに、地域おこし協力隊員は任期2年目から任期終了後1年以内に起業する場合、最大100万円の起業支援金が活用できます。
これとクラウドファンディングを組み合わせることで、よりしっかりとした資金基盤で事業をスタートできるんです。
失敗から学んだ教訓
セミナーでは、失敗事例もしっかり共有しました。同じ失敗を繰り返してほしくないから。
教訓1:「良いアイデア」だけでは事業は継続できない
収益性を最初から考えることが重要です。「地域のため」と「ビジネス」のバランスを意識しましょう。
教訓2:地域ニーズとのミスマッチに注意
「自分がやりたいこと」と「地域が必要としていること」の交差点を見つけることが成功の鍵です。着任初期は徹底的な地域理解を優先しましょう。
教訓3:時間と資金は予想の1.5倍を見込む
3年という任期は長いようで短い。逆算思考で計画し、定期的な見直しと柔軟な軌道修正が重要です。
教訓4:孤立しない
「自分の力だけでやろう」という姿勢が孤立を招きます。地域内外のサポーターを意識的に増やし、一緒に進める仲間を作ることが必須です。
セミナーを終えて
今回のセミナーでは、参加者の皆さんから本当にたくさんの質問をいただきました。地域活性化、クラウドファンディング、事業立ち上げ、人脈づくり…様々なテーマについて、率直に意見交換できたのがとても良かったです。
一人ひとりの挑戦が、銚子市の、そして日本の地方の未来を創ります。
私自身、協力隊の3年間は本当にやってよかったと心から思っています。あの期間があったからこそ、今の自分があります。成功も失敗も全部含めて、かけがえのない経験でした。
これから地域おこし協力隊を目指す方、現在活動中の方、任期終了が近づいている方…どんな状況の方でも、お気軽にご相談ください。私の経験が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
共に地域から新しい価値を生み出していきましょう!
クラウドファンディング支援
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この記事を書いた人
望月瑛司
リトルリンク株式会社 代表取締役
滋賀県出身。2021年銚子市地域おこし協力隊として移住し、3年間の活動を経て2025年1月にリトルリンク株式会社を設立。クラウドファンディング支援、WEBマーケティング支援、EC物販などを手掛ける。これまでにサポートしたプロジェクト数は100件以上、累計支援金額は5,000万円を超える。
